グレープアゲートは2016年ごろから流通しているインドネシアで発見された新しい鉱物です。現在のところインドネシアのスラウェシ島の限られた地域でしか採掘できません。

◆名称について

グレープアゲートの別称は「グレープカルセドニー」「グレープアメシスト」「パープルカルセドニー」などたくさんあります。

正確に言うならば、アゲート(瑪瑙)に見られるような縞状の構造がないためアゲートではないようです。また、顕微鏡で見た構造がカルセドニーではないという説や、色が紫とは限らないのだからアメシストは正確ではない、といった意見もあります(詳しくは名称についてをご覧下さい)。

当店ではひとまず英語圏でもっともポピュラーな流通名である「グレープアゲート」を採らせていただきましたが、個人的には「グレープクォーツ」が一番間違いがないと考えておりますので徐々にこちらも使用していきます。

◆成分・でき方

成分的にはSiO2、つまり水晶や石英と同じですが、特徴的なのはその球状の粒が集まったような形状です。形成過程は未だ不明な点も多いのですが、噴火によって海底に積もった溶岩の隙間で、火山灰の泥の中で育つと言われています。そのため泥の粘土の中で浮いて育った標本はどこにもくっついていた跡がないものもあります。粘土に含まれる微量の成分により紫や緑などの色になると言われています。

◆値段の要素

あくまで個々人の好みがそのまま価値となりますので本来は標本ごとの優劣はありません。ただ、マーケットにおいて好まれやすいものも確かにあり、それらは競争率が高くなるため価格も高くなります。もちろん安い標本が低品質というものではありませんが、値段に関係する要素をご説明します。

・形

全体を形づくる粒が立体的にふわっと集まっているものは美しく見えるため貴重です。また360°どの方向から見ても他の石にくっついていた跡や欠けたところがない、粘土の中で浮いて育った標本は貴重になります。また大きいほど高くなるのは当然ですが、小さく綺麗にまとまったいわゆるサムネイルサイズの標本も特に日本で好まれます。

・色

典型的な濃い紫色のものが高い傾向にあります。また濃い緑色や純白に近いものも珍しいため高価です。また色が濃くても透明感があり、向こうが透けるようなものが好まれます。紫と緑が混じるバイカラーや三色以上のマルチカラーの美しいものは珍重されます。

・質感

基本的にグレープアゲートは表面がつるつるしておらずマットな質感ですが、微細な結晶のつき具合により独特の輝きが生まれることがあります。表面の結晶が小さければベルベットのようなツヤが生まれ、より大きいとキラキラ輝く輝きよう(druzy ドゥルージー)になり、そのような標本は美しいため高くなります。

・粒の大きさ

標準的な粒の大きさは3mm前後ですが、大きいものは珍しく高価になります。まれに粒が1cmを超えるものもあります。

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